メガネくんのブログ

何となく日々思ったことを書いていくブログです。教育や本の感想なんかも書いてます。表紙の画像は大体ネタです。

特別支援

むずかしい毎日に、むずかしい話をする。

本の感想。 ランキング参加中読書 『むずかしい毎日に、むつかしい話をしよう。(平熱)』という本を読んだ。 むずかしい毎日に、むつかしい話をしよう。 作者:平熱 東洋館出版社 Amazon 平熱先生の本は3冊目、読むのも3冊目だ。 前の2冊はnoteで紹介したけ…

愛される障がい者という嫌な響き

本の感想。 『ことばは光(福島 智)』という本を読んでいて考えたこと。 ランキング参加中読書 著者の福島さんは、盲ろう、全く見えず聞こえずの世界にいる。母親が考案した指点字を使って学び、日本で初めて大学へ進学し、大学教授になった方だ。 読んだ本の…

素敵な妄想

本の感想。 ランキング参加中読書 『異彩を、放て。(松田 文登/松田 崇弥)』という本を読んだ。 異彩を、放て。: 「ヘラルボニー」が福祉×アートで世界を変える 作者:松田 文登,松田 崇弥 新潮社 Amazon ヘラルボニーという会社を立ち上げた2人の物語だ。 …

あいさつ・がまん・思いやり

仕事の話。 ランキング参加中教育 先日、支援学校の中学部へ高等部の先生に来てもらい話をしてもらう機会があった。 義務教育ではなくなること 卒業したら社会へ出て仕事をするために勉強する場であること 年齢に伴い心身が成長し、大人になる時期であること…

きちんとしなければという呪縛を解くために

入学式の話。 何も言わんでも ええねん 何もせんでも ええねん 笑い飛ばせば ええねん 好きにするのが ええねん 感じるだけで ええねん 気持ちよければ ええねん それでええねん それで (えー えー えー ええね) ウルフルズ『ええねん』 勤務先で3度目の…

増やせ!コマンド

僕が出会った子どもたちの話 今うちには0歳児の娘がいる。 当たり前だけれど赤ちゃんにはなにかを伝えるために「泣く」というコマンドしか備わっていない。 うちはもう3人目なので、泣き方の感じで「オムツかな?」「おっぱいかな」「とりあえず眠くて泣い…

「黄色い服を着ればいいじゃん」という発言のもやもや

Twitter上で点字ブロックを塞いだり、歩きスマホで白杖を持つ視覚障がい者が気付かれずにぶつかったりすることについて、『視覚障害の方には健常者が共通で認識できる色の服を着てもらうとかは難しいのでしょうか?例えば黄色とか。。』というツイートがあっ…

家庭が子どもの心を作っている

本の感想。 ランキング参加中読書 『普通のお母さんが「特別支援学級」で働いてみました。 特別支援学級から見た子ども達(菊地 たか子)』という本を読んだ。 普通のお母さんが「特別支援学級」で働いてみました。 特別支援学級から見た子ども達 作者:菊地た…

埋まることのない食の格差

同僚との話から。 僕の生まれ育った町は、残念ながらあまり給食が美味しくなかったそうな。 自校炊飯ではなく、給食センターから配送されるあの和紙みたいなやつに包まれ、蒸れに蒸れた白米。そして悪魔のメニュー、エビチリ。 そもそも小学校の給食は、嫌い…

頑張っている子を応援したいという考えの死角

本の話。 ランキング参加中読書 『どうしても頑張れない人たち(宮口 幸治)」という本を読んで考えたこと。 どうしても頑張れない人たち―ケーキの切れない非行少年たち2―(新潮新書) 作者:宮口幸治 新潮社 Amazon 宮口先生のケーキの切れない非行少年たちの…

手を抜くことの大切さ

先日、放課後デイのちゃんとしているちゃんとしていないみたいな話を聞いて思ったこと。 学校も家庭も放課後も子どもの顔が同じということはないし、全てが訓練する場所になると子どもは追い詰められてしまうかもしれない。ゆっくりしたり甘えたりする場も必…

苦手なところではなく必要なところへのアプローチ

すごくしっくりきました。どんなに必要だと周りが思っていても、「本人が」必要と感じて、納得して、選択しない限り、その行動は続かない。無理矢理やらされるのはその強制がなくなった瞬間にやらなくなる(反動も大きい)ので論外。ならどうやったら本人が…

4つの自立を目指して『正しいパンツのたたみ方』

本の話。 ランキング参加中読書 『正しいパンツのたたみ方(南野 忠晴)』 という本を読んで思ったこと。 正しいパンツのたたみ方――新しい家庭科勉強法 (岩波ジュニア新書) 作者:南野 忠晴 発売日: 2011/02/19 メディア: 新書 もう10年も前のことだけど、教諭…

通訳者あるいは翻訳者として『ニューロダイバーシティの教科書』

本の感想。 ランキング参加中読書 「ニューロダイバーシティの教科書(村中直人)』のいう本を読んだ。 ニューロダイバーシティの教科書: 多様性尊重社会へのキーワード 作者:直人, 村中 発売日: 2020/12/11 メディア: 単行本 筆者の村中さん(いつも通り直人…

プリキュアで想いが通じる瞬間

僕は支援学校に勤務しているのだが、そこにいる子どもたちの嗜好は多種多様だ。 電車が好きな子 寺社仏閣が好きな子 ゲームが好きな子 アニメが好きな子 テレビが好きな子 YouTubeが好きな子 そして一口に電車が好きと言っても、乗り鉄、時刻鉄、駅名鉄、撮…

本質を掴んで翻訳する『見えないスポーツ図鑑』

本の感想。 ランキング参加中読書 『見えないスポーツ図鑑(伊藤亜紗/渡邊淳司)』という本を読んだ。 見えないスポーツ図鑑 作者:亜紗, 伊藤,淳司, 渡邊,阿希子, 林 発売日: 2020/10/13 メディア: 単行本 この本は視覚障がいの方々にスポーツの臨場感をどう伝…

ありがとうの種探し

先日読んだ本の感想。 ランキング参加中読書 『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換(大場美鈴)』という本を読んだ。 発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換 作者:大場 美鈴 発売…

教育の正解はあるのかという終わらない問い

職場の先輩と話していた話題。 その先輩はこう言う。 「僕は教育の正解って見つけたくないんですよ。だって正解を見つけちゃったらそこで成長が終わっちゃう気がして」 僕は支援学校に勤務している。 今の勤務先は知的障がいの子どもたちを対象にしていて、…

障害と個性と特性と…『いまのあなたで大丈夫!全盲ママが伝える繋がる子育ての魅力』

「いまのあなたで大丈夫!全盲ママが伝える繋がる子育ての魅力(西田梓)」 という本を読んで考えたこと。 いまのあなたで大丈夫! 全盲ママが伝える繋がる子育ての魅力 作者:西田梓,MBビジネス研究班 発売日: 2020/09/11 メディア: Kindle版 この本は全盲ママ…

「使える、使えない」で終わらず、次に繋げるための工夫

ある記事の紹介。 「使える、使えない」といった言葉で切り捨ててしまうと、そこで全部終わってしまうんでしょうね。そこで終わらずに次に繋げていくための支援が、教員である僕がやること、そして、伝えること、広げていくことなんですよね。 https://t.co/…

データが語る世界『もっと言ってはいけない』

『もっと言ってはいけない(橘 玲)』を読んで思ったこと。そのいち。 ランキング参加中読書 もっと言ってはいけない(新潮新書) 作者:橘玲 発売日: 2019/01/25 メディア: Kindle版 本によると2013年に実施されたPIAAC(国際成人力調査、16歳から65歳の成人を…

自分がされて嫌なことを他人にしてはいけない

前回の続き。 相手の気持ちを考えなさいという意外と無理難題 - メガネくんのブログ 「自分がされて嫌なことを他人にしてはいけない」 「自分がされて嬉しいことを他人にしてあげなさい」 これも子どもに言いがちなフレーズだ。 でも僕はこの言葉が失敗する…

相手の気持ちを考えなさいという意外と無理難題

子ども同士のトラブルのとき、よく「相手の気持ちを考えなさい」という言葉をよく聞く。 でもよくよく考えてみて、僕たちは自分でない他者の気持ちをどこまで理解することができるのだろうか。 ある本を読んでいて「相手の気持ちを考えるってやっぱり難しい…

矛盾するこころ『「こころ」の本質とは何か』

本の感想。 ランキング参加中読書 『「こころ」の本質とは何か』という本を読んで思ったこと。 「こころ」の本質とは何か (ちくま新書) 作者:滝川一廣 発売日: 2004/07/06 メディア: 新書 この本は統合失調症、精神遅滞、自閉症、不登校というそれぞれの面か…

ルールを守り続けるために 制約と誓約

学校という閉じられた場にいるとルールについていろいろ考える場面がある。 例えば見出しなみ。 髪を染めたりピアスをしたり。 ①学校のルールとして決められていることを守らないといけないという意見がある。ルールを守れる力は大事だ。 ②卒業後の進路先、…

ソノカラカイノハイケイニハ

Twitterで「特別支援学級の子に強く当たる、時にはいじめてしまう通常学級の子。この子こそ助けてあげたい。」という言葉を見つけて思った話。 ダメなことはダメなんだけれども、その背景に何があるのかな?を考えないと解決には至らない(解決できるとは限…

『お金2.0』多様な価値感が併存する価値主義の時代へ

本の感想。 ランキング参加中読書 『お金2.0(佐藤航陽)』という本を読んだ。 お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book) 作者:佐藤 航陽 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2017/11/30 メディア: 単行本 現在のお金のことだけでなく、これから先の…

撒いた種が芽吹き咲き誇るところを見ることができるという奇跡

先日、自分が担任をした子たちの弁論を見学できる機会をいただけた。 去年担任した子たち、一昨年担任した子たち。 自分が関わった子たちが成長していく姿を見ることができるのは、幼稚部から高等部まである盲学校や支援学校などの大きな魅力だと思う。 もと…

昔の本は面白い『諸國盲人傳說集』

本の話。 ランキング参加中読書 大先輩から借りた『諸國盲人傳說集(横田全治)』という本を読んだ。 諸國盲人伝説集 | 国立特別支援教育総合研究所 OPAC 昭和28年発行。 うちの父親より年上だ。 いろんな盲人についてのエピソードをまとめた本だ。 読んでい…

創造は、イノベーションは、「できない」を発見することから始まる。

多様性について考える。 多様性があるということ、できないということはなにかのアイデアに繋がる可能性を秘めているのかもしれない。支援学校で働く僕は、支援の必要な子たちへの関わりが、そうでない人にとっても有効であることを知っている。もちろんそれ…