仕事の話。
先日、支援学校の中学部へ高等部の先生に来てもらい話をしてもらう機会があった。
義務教育ではなくなること
卒業したら社会へ出て仕事をするために勉強する場であること
年齢に伴い心身が成長し、大人になる時期であること
自ら学ばなければ、いろんなことは身につかないまま大人になってしまうこと
そんな話をしていただいた。
そして、「高等部でできるようになってほしい3つのこと」としてあげられていたのが、タイトルにもある、あいさつ、がまん、思いやりだ。
「まずあいさつができるようになってほしい」
これはどの進路先でも言われることだ。
前の職場で進路開拓をしていたときも、実習の巡回や反省会に参加したときも繰り返し言われた。
あいさつなんて簡単じゃん…と誰もが思うかもしれない。
でも、本当にいつでもきちんとしたあいさつができているだろうか?
実は自分ではできているつもりでも、周りから見るとできていない…というのはよくある話である。
- 「おはよう」だけでなく、「失礼します」や「ありがとうございました」もあいさつだ。
- 自分から率先してあいさつしているか。
- 相手を意識して、相手の顔を向いてあいさつしているか。
- 相手に聞こえる適当な大きさの声か。
- 明るい表情になっているか。
- 家族にもあいさつできているか。
- 実習先など初めての場でもあいさつできるのか。
こうやってチェックしてみると、どうだろう。
大人でもできていない部分があるかもしれない。
挨拶(あいさつ)とは、自分の心を 開くことで相手の心を開かせ、相手の心に近づいていく積極的な行為と言えます。 分かりやすく言うと、あいさつには、「あなたのことを認めています。 これから仲良くしていき ましょう。」 という意味が込められているのです。
なんて考え方もある。
あいさつは人との関わりの第一歩なのだ。
続いてがまん。
もちろんなんでもかんでも我慢しろという訳ではない。
我慢して溜まったイライラの対処、ストレス解消をすることも大切だ。
でも社会の中で生きていくということは、ルールを守らなければならないということだ。
ルールを守るためには自分のやりたいこと、やりたくないことを我慢しなければならない場面が必ず出てくる。
また仕事をしていく上では、人との関わりは避けては通れない。
みんながみんな好き放題中、自由にはできない。ある人の思いや考え、やりたいことというのは、別の人のそれと衝突するものだ。
もちろん最初から全てを我慢なんてできない。
でも「今、我慢しないといけない場面で我慢できていなかったな」と気づくことができたら、次からはできるかもしれない。少しずつ積み重ねていったら、君たちは変わっていける。そんな風に気付ける人になってください。というメッセージだった。
支援学校に通う子どもたちの多くは、メタ認知と言われる、自分で自分の様子や言動を客観的に認識することに不得手がある。感情をコントロールできない子たちの場合は、できていない自分を認めたくない思いからか、周りからの指摘を拒絶することもある。
でも、少しずつ関係をつくり、できることや得意なことから自分を受け止め、その子がわかるように丁寧に確認していくなら。
少しずついろんなことに気付けるようになっていく。中学部の間に、そうやって自分を受け止めて、変わっていきたいと子どもたちが思える素地をつくれるように関わっていきたいなと改めて思わされた。
最後に思いやり。
我慢の部分とも重なるのだけれども、仕事をする上で人との関わりは避けては通れない。
そのときに、相手への思いやりがあるのとないのとでは、周りの人との関係性が大きく違ってくる。
それに「仕事とはみんなの役に立つこと」である。家や学校、職場でお手伝いなどをして、みんなの役に立つことが、もっと大きく言えば世界のために役立つことが、仕事に繋がっていく。
子どもたちはそれを聞いて、「高等部へ行ったらこんなことを頑張りたい」とあれやこれやを口にしていた。
その様子を見ながら、僕たち大人にとっても「あいさつ・がまん・思いやり」は大事だやなぁとしみじみ思った。