本の感想。
『普通のお母さんが「特別支援学級」で働いてみました。 特別支援学級から見た子ども達(菊地 たか子)』という本を読んだ。
タイトルの通り、3番目の息子が発達障がいの診断を受けたお母さんが、息子の小学校進学とあわせて近隣小学校の特別支援学校で支援員として働き始めてみたというお話。
僕自身も支援学校の教員でもあり、5歳の娘と2歳の息子の父親でもある。
保育園に送り迎えに行くと、いろんな光景を目にする。
ちょっと気になる子が目について話しかけてみたり。
衣服やタオルの間違いや怪我をした/させたで先生から謝られることもある。
保護者でもあるのだけれども、仕事柄保育園の先生方の大変さなんかもよくわかるので、いつも「いえ、大丈夫です。お気になさらず」と答えてしまいがちだ。子ども同士のトラブルなんてあって当たり前だと思うからだ。
話が僕自身の個人的なものになってしまったか、この本の著者も障がい児をもつ親という立場と特別支援学級の支援員という2つの立場を経験することで、それまでとは学校や子ども、あるいは家庭に対するモノの見方が変化していく。
- 保育園で「お母さん、実はゆうすけ君だけ、まだ人のお顔がかけないんです」と言われたこと
- 放課後デイサービスやスイミングなどにも通わせていて、息子を、少しでも「普通」に近づかせたいと思うカイトくんのお母さん
- あまりみきちゃんに興味がなく、今は新しい彼氏に夢中な、みきちゃんのママ。ママが彼氏のところに行っていていない日は、特に学校で乱暴になるみきちゃん
- 自分がやりたいからでなく、親の意向で毎日きちんと習い事をこなす子どもたち
- 家族の温かさがある家に暮らしている子供たちには、心の「ゆとり」があると感じたこと
そうした経験を経て、「家庭が子どもの心を作っている」という気づきに至ります。
僕は自分の子どもにも、毎日関わる学校の子どもたちにもそれは当てはまることだと思います。
子どもたちは家庭から本当に多くの影響を受け、身につけます。
前にも書いたけれど、僕の叱り方は母親そっくりでその叱り方を今度は娘が引き継いでいる。別に教えた訳ではないのに。
母の叱り方、僕の叱り方、娘の叱り方「親の影響は思いもよらず大きい」 - メガネくんのブログ
だから、子どもを叱るよりも、自分がお手本になっているかどうかを振り返ってみてほしい。
子どもにゆとりを感じる間があるかどうかを振り返ってほしい。
子どもの人生は親のものではなくその子自身のものだと考えてほしい。
手を出すところと我慢して見守ることのラインを考えてみてほしい。
僕自身もできていないことだらけだけれど、とても大切なこと。
だって、学校でも、塾でも、習い事でも、学童や放課後デイでもなく、その子の一番の基礎になるのは家庭なのだから。
家庭が子どもの心をつくっているんだから。