本の感想。
『お金2.0(佐藤航陽)』という本を読んだ。
現在のお金のことだけでなく、これから先のお金と社会のあり方を解説してくれる本でした。Twitterをしてるので、資本主義から価値主義への変遷、そして価値の多様性へと変化していくんだろうなーという流れはなんとなくわかる。
そして勇気づけられたのは、これからは多様な価値が併存する世の中になっていくという内容。
僕自身は#盲学校からの発信として、見えない人の世界や見えない人がいろんなことをするための手がかりや工夫、道具の紹介や、見えない人がしていることが逆にいろんな人にも活用できるんじゃないかと思うことをTwitterやnote記事なんかで発信している。
それは単純に自分が良いと思うということもあるけれど、なにかとマイノリティの立場で、「○○ができない」という視点で見られがちな障がいの世界に対して、「そうじゃないんだよ!」と言いたい気持ちも多く込められている。
今の世の中では、共生社会、障がいだけでなく、年齢や性や言葉や外見や文化が異なる多様な人がいる社会を目指している。
目指しているということはまだ達成できていないということで、まだまだどんな人でもいてもいいし、適切な配慮が社会全体としてなされるべきだという考え方は共有されていない。
だからこそ、障がいという立場からいろんなことをアピールして発信、あるいは主張していく必要がある。
この本は別の本、「触常者として生きる(広瀬浩二郎)」と並行して読んでいた。
この本だけではなく、他の本でも作者の広瀬さんは視覚障がい者からの触る文化の豊かさや価値、楽しさを発信されている。
僕は見えているという立場ではあるが、同じように視覚障がい教育の魅力を微力ながら発信している。
でもそれって、健常者と視覚障がい者に世界を二分しているだけなんじゃないかなぁ。
まだまだ視覚障がいの魅力を発信して知ってもらわないととは思うけれど、この先、いろんな、多様な価値観が併存する世界が来るなら、そんな二項対立だけでなく、視覚障がいの魅力もいろんな価値観の一つとして認められる社会が来るなら、発信の仕方も変わってくるのかなぁと思いました。
ずっと悩んでいる「障がいのある人になぜ配慮をしないといけないのか」という質問は、「障がいのある人でも頑張り屋工夫でこんなにできるんだ」とか「障がいへ関わる立場から、新たな価値やみんなに有効な方法を発信する」とかいう解答を考えていたんだけれど。
そんなこと考えなくても、それも一つの価値だからと考えられるような時代よ早く来いーと思っています。
何より理屈ではなく、障がいがあるとかないとかで、僕の大事な人や子どもたちを悪くいうな!というのが答えなのかもしれませんが。