メガネくんのブログ

何となく日々思ったことを書いていくブログです。教育や本の感想なんかも書いてます。表紙の画像は大体ネタです。

特別支援

子どものために手を出さずに我慢して見守ること

盲学校の先輩方との話から。 僕たち教員が子どものために出来ることってなんだろう。何でもやってあげることが、本当にその子のためになるのか。もちろん付き合いが長くなり、関係ができてこちらにある程度のスキルがあれば何をして欲しいかは雰囲気でわかる…

ADHDとASDの視点の違い

「大人のADHD(岩波明)」 に記載されていたものを忘備録的なものとして。 大人のADHD: もっとも身近な発達障害 (ちくま新書) 作者:岩波 明 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2015/07/06 メディア: 新書 大人のADHDというタイトルから不注意面での困難さを予想…

世の中からメガネをなくすことができるのか

「発達障害(平岩 幹男)」という本にあったのですが、配慮が公平性のためにできないなんて言うならメガネやコンタクトをやめましょう。見えていない人だけ見えるようになる特殊な道具を使えるのは不公平です。とか言ってみたらどうなるんだろう?僕はメガネ外し…

介護等体験実習について「セカイヲヒロゲルタメノタネをまく」

‪ 今年も介護等体験実習の学生さんの前で講義する機会をいただけた。‬ 今年も介護等体験実習の学生さんの前で講義する機会をいただけた。仕事が増える、意味ないなどの否定的な声もあるのだけれど、僕は将来たくさんの子どもや大人と関わる方に障がいや支援…

特別支援の考え方に染まってはいけない

「特別支援の考え方に完全に染まってしまってはいけないよ」 教員1年目にある先輩教員から言われた言葉だ。 特別支援学校に通う障がいのある子どもたちと接する機会があまりなかった場合、障がい=何もできないと考えてしまいがちだ。 なので、まるで孫の世…

「なんとかなるし、楽しいよ」『見えない私の生活術』

『見えない私の生活術(新納季温子)』を読んだ感想。 見えない私の生活術 作者: 新納季温子 出版社/メーカー: クリエイツかもがわ 発売日: 2016/01/26 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (2件) を見る 全盲の著者が生活の中で困ったこと…

ゆとりやあそびって大事

先日Twitterで見かけた、コミュニケーションの取れないと言われている子が持っている丸い段ボールの盾を見て、「キャプテンアメリカ?」と聞くと、子どもとの会話がスタートしたという話から思ったこと。 この引き出しの多さとか子どもとの距離感とかってど…

文化祭を振り返って「大人が手を出しすぎてしまった問題」

先日文化祭が終了した。 以前のブログ、「省エネでいこう」文化祭の取り組みから - メガネくんのブログに書いたのだけれども、子どもの負担を減らす省エネを目標の一つにして、劇中でムービーを使用してみた。 それ以外にも、恒例の舞台発表と作品展示以外に…

誰のための卒業式なのか

先日、卒業式について後輩教員と話したことから考えたこと。 特別支援学校でも、卒業式は厳かな空気で進んでいく。 証書授与や送辞、答辞もきちんとできるよう、繰り返し練習する。 体育大会の行進や文化祭の発表もそうだけれども、何のために繰り返し練習す…

温故知新と主体者は誰か『視覚障害教育の源流をたどる』

『視覚障害教育の源流をたどる 京都盲啞院モノがたり(岸博実)』を読んで思ったこと。 視覚障害教育の源流をたどる――京都盲唖院モノがたり 作者: 岸博実 出版社/メーカー: 明石書店 発売日: 2019/08/05 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブ…

『ケーキの切れない非行少年たち』人間はなかなか相手の立場に立って考えられない

宮口幸治さんの『ケーキの切れない非行少年たち』を読んで思ったこと。 ケーキの切れない非行少年たち (新潮新書) 作者: 宮口幸治 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2019/07/12 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 子どもが壁にぶつかる、勉強がわか…

「地図をもって支援しよう」

僕が関わる視覚障がいに限らず、特別支援教育では現在の子どもに寄り添った支援や指導が不可欠なのは言うまでもない。でも、現在のその子や現在自分が関わっている学校、学部、学年のことだけを見ていていいのだろうか。 子どもを大きな海を航海している船に…

どの時点でシフトチェンジしていくのか

どこの支援学校のホームページを見ても、大抵、小中高の縦の連携を重視していますなどと書かれている。 でも、実際は難しい。そして学部同士の仲は大抵悪い。後の学部は、「前の学部の指導が悪かったから…」と言って批判するし、前の学部は「後の学部が自分…

自分で背中をかく快感と自由

先輩教員との話から。 その先輩は、自分で自分のことをする自由や快感を「自分で自分の背中をかく快感」と子どもたちに説明しているそうだ。 当たり前の話だけど、自分の背中のかゆい部分の場所やちょうど良い力加減が正確にわかるのは自分だけだ。 他人に任…

子どもの目指すべきゴールは何か「目指すべきは自律と自立」

特別支援学校という現場で働いていると、保護者からの希望や期待、あるいは手厚い支援の要求を感じる機会がある。 時代の流れだと思うし、支援学校と言っても全ての教員が支援の専門性を高い水準で持っている訳ではないのでそうなるのだろう。 保護者は誰が…

手厚くすることと放任すること厳しくすること「バランスこそが専門性」

子どもに対してどう関わるべきなのか。 子どもとはどういう存在なんだろうか。 手厚い関わり方も、放任する関わり方もある。 どちらの方法でも、子どもに関わる人、保護者や教員は基本的に子どものために良かれと思って行動する。 何事も多くは善意からはじ…

多様性を受け入れる難しさ 多様性は、多様性自体を否定する意見も含むべきなのか

先日、第3回京都ふれeyeブラインドマラソンからふと考えた話。 2時間弱かけて10キロを完走した高齢の全盲男性。沿道からは最後まで声と拍手で応援し、閉会式を中断しての拍手。 暖かく受け入れる雰囲気がすごく良いなぁと感じた。 感動のシーンだった。 そん…

『考える障害者』どうすればいいのか答えはまだ見つからないけど、お互いのことを知ることがスタートなんじゃないか

ホーキング青山さんの「考える障害者」という本を読んでからモヤモヤ。 考える障害者 (新潮新書) 作者: ホーキング青山 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/12/14 メディア: 新書 この商品を含むブログ (1件) を見る 健常者という人たちばかりに障がいに…

『自閉症の僕が飛びはねる理由 会話のできない中学生がつづる内なる心』自閉症について考える

自閉症、最近は自閉スペクトラム症(ASD)と呼ばれる発達障がいのひとつ。自閉症への支援は発達障がいへの支援という形で教育や福祉から広がり、多くの場所でパターン化されてきている。 僕は大学生のときに自閉症に出会った。ガイドヘルパーや支援学校生徒…

点字を知って終わりでなく、その先につながってほしくて

Twitterやnote、ブログで視覚障がい教育について発信することになったきっかけは点字のあるものの紹介だった。僕は盲学校で働いている。 点字についての検索が一番多いのは小学四年生らしい。なぜなら国語の授業(光村図書 国語の教科書「だれもがかかわり合…