先日読んだ本の感想。
『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換(大場美鈴)』という本を読んだ。
筆者の方の声かけ変換表はどこかの施設で見かけてから、職場で紹介し、家の壁にも貼っている。書籍『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』特設サイトからダウンロードできらので、参考に。
読んでいて、「うんうん」と頷く場面が沢山あった。
「◯◯しちゃだめ!」などの否定的な言い方ではなく、「◯◯しよう」と言った肯定的な言い方で伝える。
「ちょっと待って」「ちゃんと座って」のような曖昧な言い方は避けて、「30秒待って」「足の裏を床につけて、背中を伸ばして、お腹と机の間はグー1個分、手は太ももの上にして座って」のような具体的な言い方をする。
視覚的にわかるような工夫をする。
その子が達成できるように、スモールステップで課題に取り組む。
できたらすぐほめる。
できているところを探す。
相手の話を聞き取りながら内容を整理する。
話が長くなるときや忙しいときは適当なところで切り上げる。
自分はダメだなんて思わず、自分のできていないところばかり見るんじゃなく、できているところも見る。
疲れていたらすぐに休む、愚痴も聞いてもらう。
ちょっとずつ選択肢や判断を子どもに譲っていく。
自由と責任はセットで。
ちょっとずつ「ちょっと」や「ちゃんと」のような抽象的な表現に慣れていく。塩コショウ少々みたいなのも。
あえて視覚的に示さずに言葉だけで聞き取る力も身につける場面を設定する。
好きなものを活用する。
見通しが持てるように予定や流れ、やることを示す。
問題が起きたときには、その前と後のことを確認して原因を分析する。
などなど
支援学校で当たり前にやっているはずのこと、課題分析、スモールステップ、構造化、ABC分析、短く具体的にはっきり伝える、伝えたことを確認する、フェーディングなどをとても丁寧にまとめられているいい本だった。
自分のやっていることは間違っていないよと背中を押してもらったような気持ちにもなる。ありがたい。
中でも気に入ったのが「ありがとうの種探し」というフレーズだ。
特に思春期になると「すごーい!」なんていう褒め言葉は通用しなくなったり、何かあるんじゃないかと裏を読まれたり、「みんなできている当たり前のことだし…」と否定的にとらえられたりしてしまう。
でも「ありがとう」は別だ。
どんな些細なことでも、こちらが相手にしてもらったことにいう言葉だから。
注意して探せば、ありがとうの種はどこにでも埋まっている(もちろん意識しないとその種は見えなくなってしまうのだけれども)
我が家でも、職場のクラスの子どもたちにも、そんな種を見つけて、こちらからどんどん「ありがとう」を伝える。
するといつの間にか、子どもたちも「ありがとう」を返してくれるようになる。
妻とも一緒に住み始めてからした約束がある。「ごめん」じゃなくて「ありがとう」と言うようにしようと。
そうやって「ありがとうのサイクル」ができていく。ありがたい話だ。
さて、今日もありがとうの種を探しにいこう。そして「ありがとう」を子どもたちに伝えよう。
世の中に本当に当たり前のことなんて実はほとんどない。
だからありがとうの種はどこにでもあるのだ。