メガネくんのブログ

何となく日々思ったことを書いていくブログです。教育や本の感想なんかも書いてます。表紙の画像は大体ネタです。

点字を知って終わりでなく、その先につながってほしくて

f:id:megane_kun_ha107:20190115065212j:image

Twitterやnote、ブログで視覚障がい教育について発信することになったきっかけは点字のあるものの紹介だった。僕は盲学校で働いている。

 

点字についての検索が一番多いのは小学四年生らしい。なぜなら国語の授業(光村図書 国語の教科書「だれもがかかわり合えるように」資料「手と心で読む」)で点字について調べるから。

 

これは初めて書いたnote記事の出だしだ。

ということで、点字について改めてネットで調べてみた。自分なりに新たな発見もあって楽しかったのだが、ほとんどのサイトでは点字が付いているものの紹介だけ、小学校の取り組みも点字のあるものを探して終わりという例が多かった。もちろん、視覚障がいの当事者を読んで話を聞いている学校だってある。でも、点字を見つけてそれで終わりにしてしまったら、子どもたちは「これだけ点字のついているものがあれば視覚障がいの人も大丈夫」と思ってしまわないだろうか。

そこから一歩踏み込んで欲しいなと思う。

知識だけでなく、自分の体験として。

 

アイマスク体験をするのもいいだろう。

視覚障がい当事者の話を聞くのもいいだろう。

ネットで調べるだけでなく、実際にスーパーに行ってみるのもいいだろう。

点字ブロックの上だけを歩いていくのもいいだろう。

例えば、実際にスーパーにいけば、点字のある商品より点字のない商品の方が圧倒的に多いことに気づくだろう。またカゴメのケチャップにはてんじがついているけど、点字がないメーカーの方が多い。

また視覚障がいの人で点字を読めるのは1割くらいだとも聞く。点字も読めず、商品もわからず困っている視覚障がい者は多い。

障がい者は大変だ。体験することで実感のある気づきになる。

さらにそこからもう一歩。

「じゃあどうしよう」

「なにかできることはあるかな?」

そんなふうに自分がどうするかを考えられたなら、視覚障がいはあなたの世界の一部になっているはずだ。

 

点字について調べて終わりの小学生は、なにか別世界のこととして考えていないだろうか。遠いアフリカの国の貧困や飢餓の問題みたいに。表面的な知識だけでは足りない。自分の世界の話にならないと、人はリアルに感じないし、自分のこととして動けない。

 

これからの世の中は「共生社会」と呼ばれる社会になっていく。障がいのある人もない人も、子どもも大人も高齢者も、男性も女性もLGBTQの人も、みんなが一緒に過ごす社会だ。

 

それに障がいは遠い世界の話じゃない。

事故にあって目が見えなくなるかもしれない、突然耳が聞こえなくなるかもしれない、生まれてきた子どもにも障がいがあるかもしれない、ストレスで鬱になるかもしれない、仕事の自分の親が高齢になって怪我で骨折し車椅子生活になるかもしれない。最近は大人になって発達障がいに気づく人も増えている。

生まれつきでなく、障がい者になった人の多くはそうなることを予期していなかったはずだ。実際に障がい者当事者になってから、社会のバリアを実感するという話をよく聞く。

 

また障がいのある人はどんどん社会に出てきている。それが当たり前の社会になる。

あなたの同僚として、お客として、訪れたお店の店員として、隣人として、保育園のママ友として、あなた自身が関わるかもしれない。

 

実は、障がいはあなたにとって身近な問題だ。

だからこそ、障害のある人と共生社会を生きる一員として、自分の世界のこととして考えて欲しい。

 

そんなことを考えて、障がいやその支援なんかについて発信をはじめました。

こんなことを言っている僕だって大学生になるまでは障がいと縁がなかったんですけど。

 

ヒトは知らないから不安になる、遠ざける、排斥する、差別する。じゃあまず知っていくことからはじめましょう。

障がい者と呼ばれる彼らはあなたの隣人です。

それは遠い世界の話にもなるけど、実は、あなたの世界の話でもあるはずだよと。伝えていけたらなと思います。

 

noteの記事はこちら

https://note.mu/megane_kun/n/nc52b3d2d76af