娘の話。
先日1歳半の娘と2人で公園に遊びに行った。
歩き始めるのが遅かった娘なのだが、歩き始めてからは楽しくて仕方のないようで、抱っこや手繋を拒否して歩き回る。
季節柄、公園内にはどんぐりがたくさん落ちている。それをまるで宝物を見つけたと言わんばかりに目をキラキラさせ「あっ」とどんぐり発見を指さして知らせてくれる。
右手でどんぐりをひらう。
大粒のどんぐりだ。
ひろったどんぐりを左手にもちかえる。
周囲にはまだまだどんぐりが落ちている。さながらとんぐり畑のよう。
「あっ」またどんぐりを見つける。
子どもはどんぐりをすぐに見つける。
右手でひろい、左手にもちかえる。
そんなことを数回繰り返すと、5個目くらいでとうとう左手が限界をむかえる。
右手でひろったどんぐりを左手にもちかえる。
左手のどんぐりがいっぱいになり、どんぐりがこぼれ落ちる。
「あっ」どんぐりが落ちたことに気づく娘。
落っことしたどんぐりを右手でひろい、再び左手で持とうとする。
左手から持っていたどんぐりがこぼれる。
またひろう。その繰り返し。
3人目の子どもだから、そんな風に待ちきれずに落とすのは予想できていたのだけれども。
そんな予想通りにどんぐりを拾っては持ちきれずに落としてを繰り返す娘に愛おしさが湧いてきて、その様子を写真で撮る。
100万枚撮りのフィルムでも 撮りきれない程の思い出を
君と二人 未来へと焼きつけていけたらいいな
そばにいれるこの瞬間を 切り取ればいつだっていくつだって
溢れる様に 生まれてくる LOVE SONG
コブクロ「Million Films」
そんな曲が頭の中に流れてくる。
妻との結婚式のテーマソング。
あの頃からたくさんの想い出の瞬間を切り取ってきた。
この曲の影響か、家のリビングにはその時々の写真を入れ替えながら飾る様にしている。
妻と2人だった想い出は、いつしか3人になり、4人になり、今は5人になった。
写真といえばデジカメだった当時から変わり、今はスマホで写真を撮り、気軽に見せ合ったり、LINEやみてねでお互いの実家のじーじ、ばーばと簡単に共有できるようになった。
すぐに手軽に写真が撮れる時代。
2分間も動かずにじっとしていないと写真が撮れない明治時代にはもう戻れない。
もしかしたら100万枚撮りのフィルムじゃあもう足りないのかも…なんて思いながら。
でもリビングに飾る写真を厳選しながら、
家族で行った思い出を振り返りながら、
保育園での自分のいない場所で切り取った子どもたちの最高の笑顔なんかを見ながら、
厳選していけば100万枚以内で余裕で収まるんじゃないか…いやいや、アレもコレもと思ったらキリがないし、なによりまだまだ先の人生は長いぞなんて考えてしまう。
そんな風に大切な人との瞬間を忘れずに、人生のアルバムを紡いでいきたいなぁ。