本の感想。
『同じ勉強をしていて、なぜ差がつくのか?「自分の頭で考える子」に変わる10のマジックワード』という本を読んだ。
まとめにあった本の流れはこうだ。
1 「同じ勉強をやっていて差がつく」のは、「日常から頭が動いているか、いないか」による
2 これが自動的にできるかどうかは、「頭脳の OSのスペックの差」による
3 「頭脳の OSのスペックの差」とは、「考える力の差」である
4 「考える力」は、第三者からのアプローチによってバージョンアップできる
5 第三者からのアプローチとしては、「 10のマジックワード」を投げかけるのが有効
つまり、
「10のマジックワードを投げかけることで、『自分の頭で考える力』を引き上げることが可能。それを日常で行ってしまおう」が本書の内容でした。
ちなみに10のマジックワードは以下の通りだ。
アプローチ 1【疑問を持たせる】のまとめ
<3つのマジックワード >
「なぜだろう?」(原因分析力)
「どう思う?」 (自己表現力)
「どうしたらいい?」 (問題解決力)
アプローチ 2【まとめさせる】のまとめ
<2つのマジックワード >
「要するに?」 (抽象化思考力)
「たとえば、どういうこと?」 (具体化思考力)
さらに OSを強化する【声かけ】のまとめ <5つのマジックワード >
「楽しむには?」 (積極思考力)
「何のため?」(目的意識力)
「そもそも、どういうこと?」 (原点回帰力)
「もし ~どうする(どうなる)?」(仮説構築力)
「本当だろうか?」 (問題意識力)
この本を読んでいて、note記事で引用したりんごについてのイラストが浮かんできた。
それと同時に教員という立場で、日々自分が子どもたちに伝えていることがそれでいいんだよと背中を押してもらえた気がして嬉しかった。
「考えなさい」「なんでできないの」
僕たち大人はそんな言葉を投げかけて、子どもたちに考えさせたつもりになって終わりになってしまうことが多い。
でも、それでは子どもたちの学びに繋がらない。
「考えられない」子どもたちだからこそ、「どうやって考えるのか」を示し、教え、伝え、導き、子どもたちが自分自身でできるようにならないといけない。
よく言われる「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教える」というのに近いのかな。
そのためには、考えることを僕たち教員が普段から実践しなければならない。
「自分を含めた大人はなにをヒントにどう判断して行動しているのか」を分析し、また適切ではない言動や思考をしてしまう子たちについて「なぜそうなってしまうのか」や「どうすれば本人が気付き、納得して言動を改めていけるのか」を繰り返し検討して、出てきたアイデアを試していくのだ。
そして学ぶことはイコール勉強することではない。日常の何もかもが学びに繋がるのだ。この本の中では、賢い子は勉強時間以外でもいろんなことに疑問を持ち、調べ、考え、得た知識を活用・応用し、また思考や知識を深めていく、脳内のOSをアップデートしていく様子が説明されていた。
そのためには学びを生活と結びつけたり、生活の疑問を学びに取り入れたりする工夫やそもそもいろんなことに疑問を持つこと、そんな学びを楽しんで行うことが大切だ。
そのために子どもたちにどう関わればいいのか、まず僕たち周りの大人が考えないといけないのだ。
うちの子どもたちは「なんでなん?」「わかった、◎◎やから○○なんや」とよく言う。妻に言わせると僕が「なんでそう思ったの?」といつも尋ねたり、「それは⚫︎⚫︎だからだよ」と口癖のように言ってからだそうだ。
そんな親の心を知らずに、うちの子どもたちは鉄腕DASHを見て鹿児島を知り、日本地図で鹿児島を調べ特産品のサツマイモを発見する。
楽しみに勝る学びのエンジンはない。
そんな風に楽しみながら、いろんなことを学び、その学びがネットワークのように繋がっていく、そんな瞬間を楽しめるようになってほしいなぁなどと陰ながら親は期待している.