メガネくんのブログ

何となく日々思ったことを書いていくブログです。教育や本の感想なんかも書いてます。表紙の画像は大体ネタです。

教員の個人事業主的な多様性や個人性は働き方改革に生かせるのか

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本の感想。

 

『誰が「働き方改革」を邪魔するのか(中村 東吾)』という本を読んだ。

 

 

 

働き方改革や働き方のダイバーシティ:多様性は好もうと好まざろうと確実に進んでいく。

なぜなら年功序列型の終身雇用制が崩壊した(というかそれが人口増などの諸条件に連動したボーナス期間だったのだけれども)先で、多様な働き方の提示や多数が納得できる能力・業績評価制を提示できなければ人が集まらず、組織を維持できなくなるからだ。

 

ブラックな面はなかなか改善しないが、年功序列型終身雇用制の残る、僕の働く教育業界ではこの本に載っていた働き方改革や働く側の意識改革はなかなかすぐには進まないのかもしれない。

講師足りてないしね。

 

先日も転勤してきたばかりの講師(いわゆる契約社員みたいな立場の教員)に教科主任を依頼する学校のもあるみたいだし。

働き方と意識と給料のバランスはとれていないのが現実的だし、効率化という面でも課題は多い。

そもそもが個人事業主的な思考の多様性に満ちた職種である。学級王国という言葉は、多数でチームを組んで働く支援学校には当てはまらないかもしれないけれど、過去のものではない。

 

 

でも、本を読んでいて、その多様性が何かを生むのではないかという期待を持てる部分があった。

 そういえば、 2012年から Google社が取り組んできた『プロジェクト・アリストテレス』がその解と結びつけられそうな結果を出していた。このプロジェクトは、さまざまなチーム形態やスタッフ構成を検証することで、生産性の高い働き方を探ることを目的とした研究であり、ダイバーシティの生産性向上と重なるところがたぶんにある。

 本書では〝個人の中の多様性〟をはじめとして、個人の意識変革にいくぶん比重を高めに置いてはいるが、プロジェクトの結果が指し示したものは、個人の中の多様性を包み込む環境、つまり個人を活かす場の重要性であった。

……

   これらの結果から導き出せるのは、とかく企業は「強いリーダー・シップ」や「コミュニケーションの取りやすい環境」「優秀な人材の配置」で業務の効率化が図れると考えがちだが、それらは全部、間違った認識だったということ。

 調査の原点まで戻って考え直すことになったプロジェクト・チームは、それまでとはまったく違う視点からアプローチをかけることになった。チームを形成する人材の特性に着目するのをやめ、心理学的側面から解に迫ろうとしたのである。

 すると、おぼろげながら答えに結びつきそうなデータが浮かび上がってきた。会議の場で全員が均等に発言するチームは生産性が高く、誰かひとりが独断的に喋るチームではそれが低かったという結果が出たのだ。この違いが一気に解への道を拓くことになる。

 そして、グループ内のスタッフが他スタッフに対し配慮があり、また共感をし、他スタッフの発言を肯定するチームこそが生産性を上げる、という事実を突き止めた。

 

 

教員の多様性の幅はすごい。

各自がその個性を発揮してもいい雰囲気ができれば、そしてみんなが思っていることを発言してそれを肯定しあえる土壌ができるのなら、仲間とチームになれるなら…学校のミライは暗くないのかもしれない。

 

 

そんなことを考えつつ、多様な同僚をまとめる力量を心底欲している。