大学生の頃、4年近く付き合っていた彼女がいた。
最終的には僕の一方的な理由で別れたのだけれども、その子と付き合っている間に世間一般で束縛されることはなく、大学やバイト先の友だちや後輩と遊びに出かけることがよくあった。
僕は甘いものが好きで、塾講師のバイト時代は近くのハーゲンダッツへせっせと通い、一万円を注ぎ込んでゴールド会員まで昇格したのはいい思い出だ(バイト先の先輩と餃子の王様にも通い、餃子倶楽部カードも溜め込んでいたけれど笑)。
その彼女からは、内心はどうだったのかわからないけれど、寛大で女の子と2人で出かけても特に何も言われることもなかった。
カフェ的なところ、ショッピング、ケーキバイキング、映画館、水族館、居酒屋、ドライブ、香川うどんツアーなどなど彼女以外の女の子と出かける。
なんて悪どいやつと思われるかもしれない。
だが不思議と悪い噂は立たない。
それどころかついたあだ名が「安牌のメガネ」である。
「メガネさんは(手を出す心配もないし)安全だろう」とか思われていたのだろうか…
実際に面と向かって「メガネさんはそういうことしないですもんね。●●さん一筋ですもんね」と言われたこともある。
ザ・ただのいい人で終わるタイプ…
まぁ実際に付き合っている間に他の女の子に手を出してはないのだけれども…
なんだか思い出して切なくなってくる…
人生にはモテ期が三度あるという。
世の中は思い通りにならないもので、あんなにモテたい、付き合いたいと思っていた高校時代や大学生になったばかりの頃は全くモテず、振られ続けたのに、彼女ができるとモテ始めるという不思議。
あの好きな子とのメールに一喜一憂し、無駄に夜中まで返信を待ち続けた日々はなんだったの。
いや、そのタイミングじゃないねん!
と思いながら、無駄に(そして生徒の勘違いとシチュエーションの力で)モテた塾講師を振り返る。
失われた時はもう戻らない。
そうして僕の「こいつとは二人きりで遊びに行っても手を出される心配はないチキン野郎、安全安心なやつ」という意味の「安牌のメガネ(正確には本名が入ります)」という不名誉な敬称も消えることもない…。