本の感想。
『ソーシャルファーム(NPO法人コミュニティシンクタンクあうるず)』という本を読んだ。
その前にもソーシャルファームに関連する本を読んだのだけれども、平たく言うとソーシャルファームは、障がい者の就労で言う、企業(障がい者枠雇用を含む)と作業所(就労継続支援や生活介護施設)を繋ぐようなイメージ。
それと障がい種別に囚われず、身体や知的、精神といった障がい種別を超えたり、母子家庭や生活貧困、受刑満了者などもっと幅広い人が共に働くイメージ。
いわゆる作業というところには、学生時代から縁があったのだけれども、どうしても障がいのある利用者とそれを指導する職員(支援員)みたいな関係性があったし、そういうものだと思っていた。
でもソーシャルファームの本を読んでいくうちに、その関係性って当たり前じゃないよねと思うようになった。
障がいのある人もない人も同じ組織の一員として、働く様子が描かれていた。
コペルニクス的転回
考えてみれば当たり前の話だ。
今ある作業所という固定観念の枠にとらわれていただけで、いろんな働き方ができる、そう自由に。
補助金ありきで、利用者が出席する日によって得られる金額が変わるから…という枠を意識し過ぎて、自由なはずが雁字搦めになっていた。
利用者が支援者と一緒に働く、場合によっては利用者が支援者に教える。
そんな関係があることは自然なはずなのに、いつの間にか考えからはなくなっていた。
「自立とは一人で何もかもができるようになることだ」
「授業は一斉に講義形式で進めるものだ」
そんな考え方に根拠はない。
少なくとも僕は一人では自立できていないし、一斉の講義形式はすでに古いものになりつつある。
ソーシャルファームのように、子どもたちが僕たち教員に教える形があったっていいんじゃないか。
全ては自由だ。
少なくともそうでない在り方を知っている僕は、そんな考え方=常識が、実はただの固定観念であって、それ以外の方法をとることも自由だとわかっている。
そんな風に固定観念の枠を取った先に、いろんな可能性があるんだろう。
もう一度言うが、全ては自由なのだから。