まるで鉄の斧を投げ込まれて出てきた泉の精霊のような台詞。
もう10年近く前になる。
なんでか合格かいまいちわからない教員採用試験を経て(ペーパーテストはわりかしできていましたが、面接ではいけた感じがなかったのです)、4月に受けたはじめての初任研(初任者研修会という教員採用試験合格者が受けなければならない研修のことです)。
そこで講師(多分主席指導主事の方)が言われたのがタイトルの言葉でした。
正確には、こんな感じの内容です。
「皆さんからこのまま意欲的に学び続け精力的に働いて20年経てばベテランになります。一方で、何も向上せず働き続けて20年経ってもベテランになります。さて、皆さんはどちらのベテランになりますか?」
この言葉は割と心に残っていて、後輩と話すときや研修会の講師をするときに引用させていただいている。
ことの言葉を他人に伝えるということは、それをそのまま自分にも負けるということだ。
「僕は今も学んでいるのだろうか、向上し続けているのだろうか」
そう自問自答する。
仕事はできるようになった。
仕事量はかなり増えた。
本を読んだり研修会にも参加している(最近家庭が忙しくちょっと参加できていない)
知識量は増えた。
子どもや大人との関係づくりのスキルも身につけた。
でも本当にそれで向上しているのか。
年齢が上がれば、求められる仕事や立場は変わっていく。
これだけやったから大丈夫という基準もない。
正直、まだまだだとは思う。
そして知識や経験は錆び朽ちていくものだ。
学んだ内容はアップデートが必要だし、成功した経験だけに頼っているとどこかで行き詰まってしまうかもしれない(そして行き詰まった原因を他人や環境など自分以外のもののせいにしてしまうかもしれない)。
それは嫌だなぁと思うので、少しづつ学び続けるのだ。
学ぶことに終わりはない。
それは楽しくもあり苦しくもある。
もちろん全てを自分一人の知識や技量で賄えるわけではない。
キャパは少しづつ広がっていってる(と信じたい)が、出来ることには限界がある。
できることをできる範囲で頑張るだけなのだ。