子どもの発表会の話。
先日、子どもの保育園の発表会があった。
年少・3歳児の息子(4)と年長・5歳児の娘(6)の合奏や歌、劇の発表。年長の娘にとっては園での最後の発表会だ。
随分前のブログで書いたが、ウチの保育園はすごい。
うちの娘のこども園の話「地味だけどすごい」 - メガネくんのブログ
年少・3歳児クラスからは先生主導で劇を始める。
劇の衣装や小道具、背景を子どもたちが一緒につくる。
年中・4歳児クラスからは子どもたちが劇を考える。
誰が何の役をしたいのか。
題材になる絵本にどんなアレンジを加えていくのか。
だからはじめから決まったセリフはない。
そして年長・5歳児クラスになると子どもたちが劇をつくりあげていく。
セリフや配役も考えるし、アレンジもする。
基本的には1人1役になる。
単に劇をするのではなく、魅せる、伝えるための劇を考えて、チームとして取り組んでいくのだ。
みんなでひとつの劇をつくりあげていく。
それは言葉でいうほど簡単なことではない。
みんなそれぞれの得意不得意がある。
間違ったり、失敗したりすることへ不安や恐怖がある。
大勢の前で発表する緊張がある。
お家の人に自分を見て欲しいという気持ちがある。
友だちの失敗を責めてしまう気持ちがある。
そんないろんな自分の気持ちを抑えながら、みんなのために手伝ったり、助け合ったり、練習を重ねて自信をつけたり。
そんなことを重ねていくのだ。
それは5歳児の子どもたちにとってとっても難しいことだ。
娘の発表会は0歳児の頃から見てきた。
最初は舞台上で固まっていた娘は、少しずつ前を向き、大きな声でセリフを言うようになった。
去年の4歳児クラスの頃には、題材の『きんいろあらし』を家でも読み込み、その情景や友だちの様子を細かく語ってくれるようになった。
今年は『こぞうのパウのたたかい』長編だ。
直前にインフルエンザが流行したこともあり、クラスのリーダー役といった立ち位置の娘は、複数の友だちの代役もしていた。
すごいプレッシャーだったと思う。
その中でもお客さんに魅せる聴かせることを子どもたちは意識していた。
舞台袖から舞台上の友だちを見守り、焦って舞台へ出そうになる友だちに「まだやで」と止めたり、太鼓のときには友だちへ伝えるべくリズムを声に出したり。
みんなのために自分のできることを懸命に頑張る姿が見られた。
それと同時に6年間見てきた娘の友だちからも目が離せなかった。
あの緊張で舞台に上がることができなかった子が、集団に入るのが苦手だった子が、恥ずかしさから舞台上でふざけていた子が。
みんな自信を持って堂々と笑顔で演技している。
自分の親を探してキョロキョロしていた子たちが、舞台袖から友だちを見ている。
セリフがなかなか出てこない友だちを怒るのではなく、「〇〇やで」とヒソヒソ声でサポートしている。
そんな姿を見て、涙が出てきた。
緊張でトイレが大混雑する子どもたちの幕間に、副園長先生がお話してくれた。
「魅せる、伝える劇を意識して欲しいことと伝えたこと」
「鍵盤ハーモニカや太鼓、劇などとても難しいことにチャレンジしていること」
「失敗しても大丈夫と伝えてきたこと」
「失敗してもチャレンジして頑張ってきたことを褒めてあげて欲しいこと」
「最初は太鼓のリズムもタイミングも合わなかったけれど、ペアとの呼吸を合わせたり、バチが当たらないように気を付けたりとお互いに協力する姿勢が見られるようになってきたこと」
「みんなでタイミングが合うのが『気持ちいい』と言うようになってきたこと」
そんな先生方の関わりや支援があって、初めて子どもたちはみんなでひとつの劇をつくりあげるところまで到達できたんだろうな。
ありがとうございます。
ひとりのちからじゃちっぽけかもしれないけど
みんなのちからをあわせれば元気になるよくよくよするなよ
あきらめるなよ
ここらがぼくらのふんばりどこさどっこいしょ
かんばれがんばれ
みんなのちからがんばれがんばれ
みんなのちからひとりのちからじゃ
ちっぽけかもしれないけど
みなとわらえば笑顔が膨らんでいくよメソメソするなよ
なみだをふいてここらがぼくらのふんばりどこさ
どっこいしょ
がんばれがんばれ
みんなのちからがんばれがんばれ
みんなのちから
ぼくらが歩くこの道は
良いことばかりじないけどきみと歩く今日の道は
結構良いものさーどっこいしょ
がんばれがんばれ
みんなのちからがんばれがんばれ
みんなのちから『みんなのちから』
最後に、発表を終えて教室へ戻った子ともたちの第一声は「楽しかったーっっ!!!!」だったそう。
この経験は子どもたちの宝物になったのだ。