本の感想。
『にげてさがして(ヨシタケシンスケ)』という本を買った。
自分で読みたかったのもあるが、泣きそうになりながら「我慢しないと」が口癖の娘に読んで欲しかったのだ。
世の中はまだまだ頑張ることや努力すること、逃げずに立ち向かうことが大事という風潮がある。
負けないこと 投げ出さないこと 投げ出さないこと 信じ抜くこと
ダメになりそうなとき それが一番大事
「それが大事(大事MANブラザーズバンド)より」
かの大事MANブラザーズバンドが歌っているので「逃げちゃダメだ」は一見、真理のように思えるけれど、そんなことはない。
負けたり投げ出したり逃げ出したりしながらも成功した人はごまんといる。
というか失敗をしない人なんていないんじゃないのだろうか。
かの有名な脱糞将軍もそうだ。
世の中勝てば官軍なのかもしれない。
僕の働く学校ではこの年度末の時期に皆勤賞というものがある。
読んで字の如く毎日休まずに登校したものだけがこの賞を得ることができる。
これも「毎日休まずに頑張ること」が美徳とされているからだろう。
「家族旅行で休みます」はけしからん!と叱られてしまうのだ。
確かに何かにつけて休みを取り、他の人に皺寄せがいくのはどうかと思う。
けれども、無理して頑張ることが本当にいいことなのだろうかと考えてしまう。
Twitterで見かけた「子どものうちから有給があってもいいのではないか」という内容と友人のTを思い出す。
Tは高校生の頃、単位時数を計算してギリギリまで学校を休み寿司屋のバイトに勤しんでいた。
こう書くと一見成績優秀のように思えるが、超低空飛行で追試をギリギリで凌いでいた。
今にして思えば、そんな生き方があってもいいんじゃないだろうか。
毎日を全力で頑張り続けることではなく、最後まで満足いくように生き延びるのが人生の目的なのだから。
逃げたっていい。
昨日、3歳の息子が保育園に行きたくないという理由で初めて休んだ。
もうすぐ生まれる妹のことで不安で、ママに甘えたかったのだそうだ。
そういう日があってもいいよね。
逃げたっていい。
そう思いながら、僕は今日も出勤する。