メガネくんのブログ

何となく日々思ったことを書いていくブログです。教育や本の感想なんかも書いてます。表紙の画像は大体ネタです。

まだ見ぬ転勤を夢見ていたあの頃

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今週のお題「引っ越し」より。

 

もう3月。

出会いと別れの季節だ。

学校の引っ越しならぬ転勤の時期…。

教員という職業柄、毎年この年度末の時間には、それなりの別れがあるのだが、前の職場は都合10年間お世話になった。

盲学校という特殊な専門性が求められる職場なので、在校歴は長くなりがちな傾向がある。

そりゃあ転勤したての人は点字や手引きのやり方を知らないし、僕も視覚障がい=全員目が全く見えないと思っていた。

とはいえ、盲学校では講師1年、教員採用試験に合格して新規採用となって9年の勤務となった。通常新規採用からは3〜4年、長くとも6年で転勤なので…転勤までの道のりは長かった。

特に地獄の中間管理職時代には、仕事が辛く転勤したい気持ちばかりが募った。

いざという時には誰も助けてくれない - メガネくんのブログ

他県他市の教員採用試験を受験することを真剣に考えていた。

 

その頃からだろうか。

転勤したい思いが溢れすぎて、毎年この年度末の時期になると、転勤が決まった人のように個人情報にかかる書類をシュレッダーし、荷物を整理するようになったのは。

転勤という引っ越し作業に向けて、転勤が決まらずとも身と心を軽くするために。

僕は年度末はシュレッダーの鬼となった。

 

転勤する先輩のなくならない書類を3月31日に残業して一緒にシュレッダーしたこともあった。

4月になってからその人の書類が段ボール3箱分出てきた…誰もが拒否するアンタッチャブルなその3箱をシュレッダーしたのも僕だ。

 

そんな僕と同じように年度末になるとシュレッダーしていた先輩(地獄の中間管理職時代の相棒)は、「そんな片付けなんてするから転勤できないんですよ」と周りから言われていた。

2人で泣いた。

「早く転勤しよう。出ていこう」と誓った。

だが、その先輩の方が先に転勤が決まった。

「メガネさん、やっぱり片付けは転勤が決まってからやるものだよ」そう言われた。

悔しくて1人で泣いた。

 

皮肉にも久方ぶりの転勤が決まったのは、未だ出口の見えないコロナ禍のため長期の休業が始まったときだった。

僕は早々に書類を片付けていたのに、誰しもに十分にシュレッダーをする余裕があったのだ…。

 

転勤して2年目。

まだしばらくは転勤しないだろう立場の僕は、この年度末もシュレッダーの鬼となる。

書類の量はまだ少ないのですぐに終わる。

でも、同じ2年目の先輩の机から溢れ出さんばかりの書類の山を見る度に…まだ転勤でもないのに…僕の心の奥のシュレッダーの鬼がザワザワするのだ。

 

嗚呼、あの書類の山シュレッダーしたい。