メガネくんのブログ

何となく日々思ったことを書いていくブログです。教育や本の感想なんかも書いてます。表紙の画像は大体ネタです。

その本を読むべきタイミング

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先日、ナルニア国物語シリーズを全て読み終わった。

 

 

読みはじめたのは社会人になってからで、古本屋で岩波少年文庫のまだ買っていない巻を見つけては手に入れていたので、読みおわるのに10年近くかかっている(そもそも最終巻がいつも書棚にないのだ)。

最終巻では、イデア論やらキリスト教的見方なんかが出てきて、大人でいわゆる日本的信仰しか持ち合わせていない僕は少し冷めた目で見つめてしまったのだけれども。

でも、このナルニア国物語を読むときには、いつもある本に載っていた場面を思い出す。その本で登場人物は、本には読むべきタイミングがあると語る。ナルニア国物語は、その例としてあげられ、小学生の頃に読むべきで親戚から勧められたにも関わらずに読ます、大人になってからそれを読んで後悔すると言った内容だったと思う。本のタイトルは忘れてしまった。

 

大人になってナルニアを読んでいる僕だから、哲学や宗教を少し学んだ今だから、見えるものがあるのかもしれないし、物語の世界にひたひたと浸かって楽しむことができないのかもしれない。

僕もナルニアをお勧めするのなら、小学生から中学生くらいの人に勧めるだろう。それが王道なのだろう。

 

僕自身の話だけど、小さい頃から本好きだった母の影響か、読書が好きだった。小学校高学年の頃には、小学校高学年向けの本はすぐに読破し、母の本棚にあった村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』を読み返していた。それが今の村上春樹好きにつながっているのだろう。

村上春樹症候群 - メガネくんのブログ

 

そんな本好きだった僕に母が勧めたのが山崎豊子の『大地の子』という中国残留孤児の話だ。

合本 大地の子(一)~(四)【文春e-Books】
 

詳しい内容は語らないが、なかなかにエグい描写が多々ある本だった。大人の男女の機微も、その歴史的背景もわからないままに理不尽が織り合わさったようなその本を読みきり、当時の習慣で何度か読み返してしまった影響は、少なからず僕の価値観や生き方に影響を与えている。

もっとざっくり言えば、『大地の子』は小学生で読むべき本ではなかったのだろう。僕はタイミングを間違えたのだ(もしくは、今の僕のように捻くれた性格がゴールだとすれば、逆にいいスパイスとしてタイミングは合っていたのかもしれないが…)

 

そんな捻くれた立場からすると、読むべきタイミングなんてないのだとも言えるかもしれない。王道だけに価値があるのではなく、王道から外れた邪道にも、何らかの楽しみがあるはずだ。

僕には4歳の娘と2歳の息子がいる。

2人が文字通り狂ったように繰り返し見るプリキュアアンパンマンのDVDに対して、もう僕は同じように熱中て、物語の世界にどっぷり浸かって楽しむことはできない。

そのタイミングは過ぎ去ってしまった。

なので、代わりに、捻くれた大人らしく、斜に構えながら、矛盾点を突っつきながら、今日も我が子と一緒にDVDを楽しむのだ。