エビが嫌いだ。
カップヌードルの乾燥したエビを捨ててからお湯を入れるくらいエビが嫌いだ。もったいないお化けが怖いので、誰かと食べるときはエビをプレゼントするようにしている。
お店で食べるシュウマイやコロッケは誰かが食べて中にエビが入っていないかどうか確認してから食べるくらいエビが嫌いだ。
これは「入ってないよ」と言いながらいろんなものにエビを刻んでねじ込んでくるおかんのせいだ。
旅行先の旅館の食事を予約するときや、結婚式に招待されるときは、アレルギーということにして(実際はアレルギーではない、アレルギーがあるのは青魚のみ)、エビを断っている。
カニも嫌いだ。
なのにうちの嫁も含めた家族はみんなエビカニが好きで、今はもう潰れてしまったけど、カーニバルプラザという嘘みたいにエビとカニしか出てこないお店に毎年言っていた。その店で
僕はサラダバーとブリオッシュというパンだけで糊口をしのいでいた。
笑顔でカニグラタンの甲羅を持っている写真が1枚残っているが、あれはきっと捏造だと思っている。
日本海側まで家族でカニ食べ放題バスツアーという1ミリも魅力を感じないツアーに参加したこともある。大雪でバスの到着は大幅に遅れ、やっと到着したときに乗客はカニがあるから持ちこたえることができたのかもしれないが、僕にはやっとの思いでついた先で何も楽しみがない。雪の砂漠でラクダを見た思い出だけが残っている。
高校の修学旅行ではカニアレルギーということにしてもらい、皆が北海道名物カニ飯を食べる中、豚テキを食べていた(あれは美味しかった笑)。
皆匂いなどしないと言うが、かに道楽という店の前を歩くと焼きがにの匂いがしてえずいてしまう。
そんなこんなでカニカマも嫌いだ。
もちろんあれがカニではなく、ちくわやかまぼこの仲間だとは知っている。
カニどころかエビも全く入っていないことも知っている。
でもダメなのだ。
身体が拒絶されて食べたくない。
でもカニパンは好き。
シャコもダメだ。
昔宅急便で届き、おがくずの底からもがき出てきたアイツを見たのは軽いトラウマだ。
一応仕事上給食指導と言うものがあるので、エビが出たときは少し減らしてもらい、最低限奥歯で咀嚼し、牛乳で流し込むようにしている。この時ばかりは余った牛乳争奪レースに立候補するのだ。
人前では言わないが、正直消しゴムを食べてるようなものだと思っている。
でも好き嫌いには寛容でありたいとも思っている。
その辺は以前のブログでも書いた。
僕のエビ、カニ嫌いは界隈では有名だ。
娘は読んでいる絵本やテレビにエビやカニが出てくるとニヤニヤしながら、「パパの嫌いなカニやー」「パパは嫌いやけど、⚫︎⚫︎の大好きなエビやー」と繰り返す。
かに道楽の看板を見つけたときも同様だ。
なんて娘に育ってしまったんだ。
好き嫌いは遺伝子しないらしい。
うちの子野菜嫌いやけど。
なぜ嫌いなのか。
それはもうわからないし、一言では表せられない。
味、臭い、食感、色、見た目、理由はいくつも挙げることができるだろう。
みなさんもどうにも合わない人はいないだろうか?
絶対にコイツとは仲良くなれないなと確信する相手が。
長い人生、1人くらいそんな人と出会うもの。
仏教で言う怨憎会苦(おんぞうえく)というやつだ。
僕にとってエビが、それだったというだけのこと。
嫌いなやつに良いところがあるからといって好きになるだろうか。いや、ならない。
それと同じだ。
別に好き嫌いがあったっていいじゃないか。
食べ物の好き嫌いを責めてくる人は大体自分は嫌いな食べ物がない人だけれども、そんな人に限って人の好き嫌いは多い(これは僕の偏見かもしれないが)。
嫌いだっていいじゃないか。人間だもの。
そんな僕のポケットモンスター赤で選んだ格闘タイプのポケモンはもちろんサワムラーの一択だ。