メガネくんのブログ

何となく日々思ったことを書いていくブログです。教育や本の感想なんかも書いてます。表紙の画像は大体ネタです。

頑張れる人と頑張れない人の違い 目指すのは「頑張れ」じゃなくて「頑張る」

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同じ課題があったとしても、それに対して頑張れる子と頑張れない子がいます。

その違いは何なのだろうかと考えてみる。

 

僕の経験してきた学校生活の中で、多くの教員が「努力が足りない」「怠けている」「やる気を出せ」そして「頑張れ!」と子どもに伝えていた。

まぁ追い込まれればみんな頑張らざるを得ないので頑張るのだけど、頑張らさせられすぎてしんどくなってしまう子もいる。

 

僕の考えだけど、教員になる人は小学校のクラスでいうと半分より成績が上の人が大半。そんな人の多くは頑張った努力が報われるのが当たり前の人、そこそこの努力すればそこそこの結果が出る人、なのでちょっと努力するのが当たり前になっているんじゃないだろうか。

一方で、頑張れない子の多くは小学校のクラスでいうと半分より成績が下の人が多い気がする。取り組み方や能力から周りと同じ量の努力しても、そんなに効果が出ない、努力コスパが良くない経験をした人なんじゃないか。

だから頑張れない人は、頑張っていない人じゃなくて「頑張ったけどなかなか結果が出ないから頑張ることをやめちゃった人」なのではないか。

一つ目のまとめは、結果が出る出ないによって頑張るかどうかが変わってくるんじゃないかということです。それは努力の量だけではなく、好き嫌いや得意不得意、努力のベクトルがあっているかどうかも関係しているはずですが。

 

また人はそれぞれ得意不得意や能力が違うはずですが、頑張って結果を出してきた人は、「自分は頑張ったから結果を出せたんだ。結果を出せてないやつは頑張ってないからだ」と考える。そして結果の出ない人に「頑張れ」と叱咤激励する。

でも、そうやって「頑張れ」という人だって自分の中で頑張っていることと頑張っていないことがあるはず。勉強で頑張った人、スポーツで頑張った人、音楽で頑張った人、みんなそれぞれだけど、頑張ったこと以外に「頑張らなかったこと」があるはず。「実は体育が苦手だった。歌うのが得意じゃなくて…」そんなのは誰にでもある。でも大抵の人は「自分が頑張らなかったことがある」ことを棚に上げて「頑張れ頑張れ」と言ってしまう。目の前の頑張らない子は、もしかしたらそのことを頑張らないと決めているかもしれないのに。

大体何事にでも全力で頑張れる人はほとんどいないし、大抵の人は何事にも全力で頑張ると気力も体力も持たない。

という訳で二つ目のまとめは、ほとんどの人はなんでも頑張れる訳じゃないということです。大抵得意なこと、好きなこと、結果がでるものについては頑張るけど、そうじゃないものなついては頑張ってこなかった人が多いはず。

 

あと思うのは、頑張ったら本当になんでも叶うのかという話。

「勉強頑張れ」という教員には、「なぜ東大や京大、海外の有名大学に進学して、就職してからも学び続け論文発表などしないんですか。それはあなたの勉強不足ではないんですか」という反論ができるかもしれない。

「運動頑張れ」という教員には、「なんで国体出て、アジア大会出て、ワールドカップやオリンピック出て金メダルを取っていないんですか」という反論ができるかもしれない。

そんなことを言ったら「人間はそれぞれ才能や得意不得意が違う!」と否定されるかもしれない。

その通り。

じゃあ、すごくできる人だけではなく、頑張っても結果が出ない人にもその「人間はそれぞれ才能や得意不得意が違う!」という理屈は成り立ちますよねという話なんです。

「できない=頑張っていないから」とは一概には言えないはず。

三つ目のまとめは、頑張るだけで誰でもが最高峰までいける訳じゃない。人はそれぞれ違うし、同じ量頑張っても、人によっては結果は異なるということです。

 

ここまで書いてきてなんですが、別に頑張ることを否定している訳ではありません。

ただむやみやたらに「頑張れ」という文化に違和感を覚えているだけです。

人は好きなこと、得意なこと、結果がでることには自然と頑張れるはず。そのためには、好きなことや得意なことを活かす、結果がでるように努力のベクトルを修正してあげる(耳で聞くのが苦手な子が九九をひたすら唱えて覚えるのは効率が悪いので、目で見て覚える、書いて覚える、算盤で覚えるなど得意な認知に変更するなど)、それだけで自然と頑張れるようになるかもしれません。

また劣等感も頑張る力のバネになると思います。大事なのは本人が無理やりやらされるのではなく、自分から「頑張ろう」と思うことじゃないでしょうか。

僕自身が頑張ってほしいと伝えるとかに心がけているのは、精神論ではなく、具体的な行動としてどうするのか(勉強頑張るとは量なのか、時間なのか、問題数なのか)を一緒に考えることです。頑張るは抽象的な言葉なので、それだけだと効果の検証がしにくいと思います。

 

頑張ることは悪いことじゃなく、必ずではないですが結果につながりますし、頑張った経験は自信につながります。

多くの子どもたちが「頑張れ!」と叱られるのではなく、自分の取り組むフィールドを見つけて自然と「頑張る」世の中がいいなと思います。