身体の話。
小さい頃から好き嫌いが多い子どもだった。
食べる量にもムラがあり、周りが驚くほどよく食べるときもあれば、普段はあまり食べないことが多かったそうだ。
胃下垂体質で食べればぽっこりお腹が出るが、そこまで太らず、むしろガリガリに近い部類だった。小学校のあだ名のひとつに「骨皮筋左衛門(ほねかわすじえもん)」というのがある。
小学校のミニバスから高校まではがっつりバスケをやっていた。
特に高校からは筋トレに目覚め、外練の日には3on3で遊んでいる部員を尻目に、ランニングとウエイトで負荷をかけた筋トレに夢中になっていた。
体重は58キロ、体脂肪率は8パーセントをキープし、人生で1番絞れていた。
部活引退後の受験生活で一旦体重は増えた。大学になり、飲み会続きの自堕落な生活のせいで筋肉は落ちたが、おそらく脂肪に変わったため体重はそこまで増えなかった。60〜65キロの間くらいだった。
ちょっとお腹がプニってきても少し筋トレをすればなんとか誤魔化せた。
今でも大学時代の服が着れるくらい、シルエットは変わっていない。
その陰で、僕の身体の内側に内臓脂肪が確実に蓄積されていたのだが…
30代になり、筋トレをしてもお腹のお肉が取れなくなってきた。
コロナ禍で定期的にしていたジョギングや視覚障がいスポーツをする機会もなくなり、65前後だった体重は、徐々に66、67、68と推移していった。
「このぐらい誤差だよ」
そう自分を騙しながら見て見ぬふりをしていたが、先日2月に行った家族旅行の温泉脱衣場で体重を測ったときに、70キロを少し超えていた。
「もう見て見ぬ振りはできない」
そう決心し、お風呂や子どもたちが寝てからリビングで、あるいは布団の中でスマホをいじる時間に筋トレを始めた。
効果は以外にもすぐに訪れ、体重は67キロ台まで減少した。
体重を測るのが楽しみの一つになった。
とりあえず目標65キロと考えているのだが…ここで難敵が現れた。
ストレスだ。
若い頃は「寝れば嫌なことは忘れます」なんてお気楽なことを言っていたが、40代目前にして寝ても疲れが取れない身体に怯えている。
妻に勧められて身体にあった枕も購入した。
が、ここ数日は明け方に目が覚めてしまう。
当然疲れも残ったままだ。
そして甘味が好きな僕は仕事の合間におやつを食べてしまう。
稼業日中ならいざ知らず、春休み中の今はいつでもおやつ食べ放題だ。
そして転勤される方や周りの席の方からいただく甘味がたくさんある。
食べずにはいられない。
妻には「間食やジュースをやめたら一気に痩せるんじゃない?」と言われる。
それに対して「いや、摂取カロリーを減らすよりも、筋肉量を増やして基礎代謝を上げた方が長期的にコスパがいいから」とうそぶいてきた。
そう、本当は妻の言うことが正しいのだ。
わかっている。
体重は減らしたい。
でも。
でも、甘味は止められない。
ストレスという免罪符を掲げて、つい魅惑の黒いシュワシュワ炭酸飲料も飲んでしまう。
学校近くに500ミリリットルの缶が100円で売っているのが悪いのだ。
激増した仕事量は僕にストレスだけでなく、二次災害的な暴飲暴食によって体重も増やしにかかってくる。
悪魔的な所業。
体重を減らしたい思いに反して増える甘味。
いや、今や「今日は筋トレしたから、食べても大丈夫。実質カロリーゼロ」なんて悪魔の囁きに染まり、ドップリ肩まで浸かっている状態だ。
昨日の夜は仕事をしながらラーメンを食べてしまった。
今日のランチは一人焼肉に行ってしまった。
3時のおやつにはパルムを食べてしまった。
ゴミ箱には山盛りのお菓子の包装紙…。
必然的に体重計を避ける意識が働き、ここ数日は体重を測っていない。
ストレスの弊害。
今日の僕の体重は…神のみぞ知る。
追伸
こんな話を書いていると、妻から「スタバでメロンフラペチーノが販売されるよ」と言われる。ストレスとメロンが僕を呼んでいるようだ笑。