卒業式の話。
僕の勤務する支援学校では、卒業式の証書授与の際に担任が名前を呼ぶだけでなく、その生徒への短いメッセージを伝えるという伝統がある。
以前の学校では呼名だけであり、学校によって違うんだなぁくらいにしか思っていなかった。
そして今年はそんな呼名をする立場になった。
とはいえ、一番最初の練習からコメントを伝えるわけではない。最初は「3年間で成長しましたね」のような全員同じコメントを伝えておき、本番2回前くらいの練習から本番と同じ個別のコメントを読み上げるのだ。
ここで問題が生まれた。
大阪生まれ、大阪育ちだが、普段はそんなに関西弁が出ない自分。
なのに、なぜか初回のコメント読み上げのときにコテコテの関西弁になってしまったのだ。
緊張故なのか…
想いが入りすぎてしまうのか…
なぜか騒ぎ出す関西の血。
(いやいや、急になんでなねん!?)
その関西弁を同僚から指摘され、僕の緊張感はさらに高まる。
どうしたらいいんだ…
そんな時、ふと横浜在住の従姉との思い出が蘇る。
お昼ご飯なににする?という話の件で僕が「マクド⤵️とかどう?」と話すと、
「えっ今、マクド⤴️って言った?マクド⤴️って言った?ちょーウケるんだけど!関西のひとってほんとにマクド⤵️って言うんだー」
とイントネーションの違いをとことん馬鹿にされたのだ。
長い思い出…でもそこにヒントがあった。
「そうだ、イントネーションだ!」
と閃き、ちょっと声色を高めに意識してみたら普段通りに読むことができた笑。
ただ、読み上げている途中にふいに関西弁が出そうになる…
耐えろ、耐えるんだ…
そうしてなんとか乗り切った今日の練習後には、手に持っていた呼名のファイルの厚紙は溢れんばかりの僕の手汗で変色していた。
びちゃびちゃの呼名表を胸に、なんとか当日を関西弁なしで乗り切りたい。