本の感想。
『ここではないどこかに、自分の居場所や働きがいのある職場を探しているあなたへ(秋田 稲美)」』という本を読んだ。
なぜ働くのか、何のためにどう働くのかを考える本だった。
印象に残ったのは「どうしたら営業で成績が出せるのか?」という話題。
自分にも、商品にも自信のないセールスマンは絶対に売れないという記述に納得する。
同時に教員の僕はこう読み替える。
自分にも授業にも自信のない教員は…どうなるのか?
もちろん全てが完璧超人なパーフェクトヒューマンなんていないし、全てにおいてパーフェクトな商品はありえない。
高機能と価格、膨大な機能と手軽さはそうそう両立するものではない。
だから自分でも、商品でも、授業でも自信を持ってオススメできるポイント、ウリがあるかなのだと思う。
もう一つは、自分で考えたウリ=正しさがそのまま通じる訳ではないということだ。
どうしたら、営業で成果が出せるか? その答えは、実はとても簡単です。相手のメリットをとことん考える、ということです。
とても当たり前のことですが、見落としがちなポイントを、強烈に気づかせていただいた話がありました。次に紹介させてください。
NPOなどの社会貢献活動をしていると、企業を訪ね、「サポートをしてください」とお願いに行く場面があります。こういう場合の企業側の本音として、営業のアポイントそのものを、わずらわしく思っているケースが多々あります。
ある大企業のトップが、こんなことを教えてくれました。「なぜ、 NPOが嫌われるかわかりますか? それは話が非常に論理的で、情熱的だからですよ」
思わず私は、「それって、いいことなんじゃないですか!?」と聞き返しました。
その方の説明によると、 NPOは、「世の中にはこんなにヒドイ問題があります。私たちは解決策を持っています。本気です(だから、あなた方が私たちをサポートするのは、当然です)」と、こちらに逃げ場を与えない。さらにそれが、論理的で情熱的だからたまらない、というのです。
企業側からすると、「わが社のメリットは何なのか?」を知りたいです。そこに対する提案がまったくないので話にならない、と言われました。
つまり、あなたの会社の強みや、商品の優位性を、論理的に情熱を込めて話すのはかえって逆効果かもしれないのです。「相手のメリットをとことん考える」ことを大切にしましょう。」
この部分を読んで、NPOが教員に見えてきて思わず苦笑いをしてしまう。
生徒指導にしても、謎の校則にしても、保護者対応にしても、「正しさ」をまるで印籠のように高々と掲げて押しつけるようにしてしまう面が教員にはある。指導する側される側という立ち位置から仕方ない部分もあるかもしれない(いや、そんなことはないのだけれど)
でも正しさというのはあくまでも価値観の1つであり、こちらの思う正しさだけでなく相手の大切にする価値=メリットを考えないとうまくいかないのは当然だ。
威圧して思い通りは動かすことではなく、子どもが自発的に行動することが目的なのなら…
その子が必要と実感したり、納得してその行動を選択したりするプロセスを大切にするべきではないのだろうか。
そのために子どもの視点から考えなければならないのではないだろうか。