「ムーブ ユア バス(ロン・クラーク/橘明美)」 という本を読んだ。
組織の話だ。
組織がバスに例えられる。
バスの車体だけで、動力はみんなの足だ。
組織にはいろんな人がいる。
ランナー。何事にも積極的に動き回りアイデアの宝庫で大活躍する。選り好みはせず、必要なことは何にでも率先して取りかかる。でも働きすぎと少々のミスに注意。
ジャガー。真面目で与えられた仕事はきっちりこなす。ここぞという分野は積極的、でもそれ以外は積極的には動かない。定期的に評価してあげる必要がある。
ウォーカー。仕事はゆっくりでそんなにやる気はない。自分のことを優先し、自分が損していると思うと平等を訴える。
ライダー。文字通りタダ乗りで、自分からは動かない。でも文句は一人前に言う。
ドライバー。彼らをまとめる組織の監督、管理職、リーダーだ。
本の中では組織というバスをいかに早く動かすのかに焦点を当てている。
それぞれの役割のキャラクターが登場し、わかりやすく話が進んでいく。
大まかなポイントは、
①ウォーカーやライダーには労力を割かない(必死で関わってもその労力に結果は見合わない)
②一番大事なのはランナー。バスの要であるランナーがストレスなく働ける環境を用意する(誰でもできる仕事は他に、抱えてる仕事が多いから少々のミスには目を瞑る、健康やプライベートに気をつける)
③ジャガーやウォーカーは良くも悪くも周りの環境に影響される。積極的な雰囲気をつくっていく。
④働きに応じた報酬を。またジャガーやウォーカーはやったことについてはきちんと評価をする。
⑤誰にでもできる仕事はウォーカーやライダーに任せる。
だいたいこんなところか。
要約すると「ウォーカーやライダーには構わず、ランナーを全力でサポートしろ、それがバスが一番早く走る方法だ」だろうか。
著者のロン・クラークは「目指すのは全員がランナーの集団だ」と言う。また「アメリカの公立学校ではウォーカーやライダーが多く、ランナーやジャガーがそれに引っ張られて力を発揮できなくなる(著者は私立の学校を経営している)」とも。
面白いと感じたのは、無駄と切り捨てられがちなことが大きな効果を生むと言う話。相手の心に届くサプライズは、少々の忙しさと釣り合わないほどのリターンを返してくれることがある。
最近の仕事を効率よくし、自分が早く帰ることを優先する風潮には少し違和感を感じていたのでしっくりきた。
効率だけでなく、信頼関係が根っこにないとしんどいんじゃないかと思う。
さて自分の所属する組織はどうだろうか。
ランナーは見当たらない。ジャガーもちらほらだけ。
大半がウォーカーとライダー。
確かに、毎日、仕事への不平不満が聞こえてくる。率先して仕事をする人は少ないし、そういう人へ負担が集中している気がする。平等という文化が根強く残っているし、根拠のないと思えてしまう伝統や前例が高くそびえ立っている。
どうしたもんだか。
まぁとりあえずできることから、コツコツと進めていくしかないんだろう。
まずは効率よく進められるための改善と、ランナーが来たときのための準備かな。