スーパーで鯛のアラを購入し、潮汁をつくる。
まずは流水で血合を洗い、ペットボトルのキャップで丁寧にウロコを取る。
塩を振って15分放置。
霜降りをする。
鍋にアラを入れ、かぶるくらいの水を入れる。
中火で煮込み、丁寧にアクを取る。
ひと段落したらお酒を少々。
後は塩で味を整える。
パラパラ…
塩で味を整える。
パラパラ…
塩で味を…
パラパラ…
おかしい…
一向に塩の味がしない。
気になり潮汁のレシピを検索する。
塩の量は塩分濃度1%を基準にという文言を見つける。
おかしい…
もう1%は超えているハズだ。
自分の味覚に自信がなくなる。
妻に薄味だから後で加減してと伝える。
これは味覚異常というやつなのだろうか?
でも晩ごはんのチキンライスはキチンと味がした。
潮汁と並行してつくっていたこんにゃくステーキも、醤油・酒・ニンニクに漬け込んでいたので染み込んだ味を感じた。
なぜ突然…
頭の中を恐怖がよぎる…
震える心に一筋の天啓が降りる。
台所へ戻り、塩の調味料ボックスを開ける。
指先で摘んだ白い粒を舐める。
…
……
…
あ…甘い…。
コレ…砂糖じゃん。
白い粉を小皿に出し、妻にも味を確かめてもらう。
「甘いね…砂糖だねー」
「なんで間違えたんだろう?そう言えば、最近つくったきゅうりの酢の物で水分全然出ないって思っててん笑」
よかった。
僕の味覚は正常だった。
もう一度白い塊を口に運ぶ。
うん、味覚は正常だ。
でも、甘くなった鯛の潮汁…どうしたらええねん!?