本の感想。
『「かまってちゃん」社員の上手なかまい方(大野萌子)」』と『心を折る上司(見波利幸)』という本を読んだ。
近年少子高齢化の波が学校業界にも広がり、講師不足が問題化している。
どこの現場でも同じかもしれないが、「講師探してるんだけどいい人いない?」「技術の免許持ってる知り合いはいない?」なんて管理職からの問い合わせや「なんで代替講師がいないんだ」「この講師の人はしんどい、なぜ一から全部教えないといけないんだ」「仕事の偏りが多すぎる」みたいな現場の声がネット上でも現実でも溢れ出さんばかりだ。
授業で少子高齢化の話を子どもたちにしているんだから、その波が自分たちにのところにもくるのは当たり前のはずなのに、いざ足元までこないと気付かない現状…テレビで見ている台風を見学に行くようなこの現象はなんとかならないのだろうか。
早い話が人手が足りないのだから、いい人が来るような好条件を出すか、今いる人たちを戦力に育て上げるか、辞めていく・休んでいく人をすくなくするか、少ない人で回せる仕組みづくりをするかみたいな方策を打つしかないのだろう。
残念ながら今の教育業界で「やりがい」以外の面で魅力をアピールするのは難しそうなので、必然、組織力的なものをあげていくしか道はないのだろう。
そうなったときに、部下や同僚のマネジメントや業務の簡略化、システム化、マニュアル化は欠かせない。
マネジメントといっても「管理」ではなく、「育成」という意味で、だ。コーチングといってもいいだろう。
教員という仕事は、業務が数値で表しにくくまた見えない仕事が山のように降ってくる。
学校ないだけで完結できないトラブルも多い。まぁなんでもかんでも学校内だけにする必要はないのだけれど…。
そして教員業界では、教員は個人事業主みたいなポジションにもなる。クラスや校務分掌内はその人の王国…とまではいかないかもしれないけれど、他の教員が入り込みにくい世界になることが多い。
なので、子どもが荒れるとき、保護者の対応が上手くいかないとき、行事が上手く回らないときになどに個人の責任が問われる。
でも、「最近の人は…」なんて個人の責任にして完結していられる時代はもう終わりだ。
だって質の高い人は集まらないだろうし、そもそも頭数すら揃わない可能性がある。
そうなってきたときに、今までのやり方にしがみついて踏襲し、真綿で首を絞められるようにじわじわ苦しむ状況の中で不平不満を言い続けるような職場にはいたくない。
だったら、個人の質に期待しない、言い方は良くないけれど質の悪い人でも回せるシステムをつくっていかないといけないんだよなぁ…
と思いつつ、目が飛び出るような訳の分からない今月の処分一覧を見て「きっつー、やっぱ無理かも」と思う今日この頃。