本の感想。
「億男(川村 元気)」という本を読んだ。
我が家は父親の強い要請で毎年3家族で共同出資して年末ジャンボ宝くじを買っている。残念ながら高額が当たったことはなく、「宝くじは最も割の悪い投資である」と言う言葉を覆すことはできてはいないが…。
この小説は3億円当てた男の話である。
3千万の借金の肩代わりがあり、そのせいで夜の仕事を増やし、妻と娘と別居中のその男は、3億円をどうしたらいいのかわからず、億万長者になった学生時代の親友に会いにいくも、親友からすれば端金のはずのその3億円を盗まれる。
男はその親友の居場所を探すため、かつて親友とベンチャー企業を立ち上げ、親友を裏切って大手企業に売却し、億万長者になった3人、得たお金を公営住宅の床に隠し結婚相談所で出会った金に執着のない男と結婚した女、得た金を無くすためにギャンブルに注ぎ込み、でも勝ち続ける男、金を穢れと思いつつ金儲けのための新興宗教を立ち上げた男に会いにいく。
本を読んでいて思った。
自分はいかにお金のことを知らないかと。
昔ロト6の全ての場合を買った金額を計算したことはあったが、1億円以上の高額当選者の数は知らなかった。お金の授業で、10円玉の図柄を描かせることはあっても、1万円札の大きさは知らなかった(重さは知っていたけど)。
以前別のブログで書いた、「お金2.0(佐藤航陽)」 でも思ったが、僕たちはお金を特別視しすぎて、その実態や道具として使うことを十分に学んでこなかったのかもしれない。
『お金2.0』多様な価値感が併存する価値主義の時代へ - メガネくんのブログ
お金。
人が生み出した道具であるはずなのに、人が振り回される道具でもある。
お金に執着するでもなく…
お金を拒絶するでもなく…
欲にまみれるでもなく…
無欲でもなく…
人並みの欲を持ちながら生きる
簡単なようで難しいなぁ
でもこの本はお金の本であると同時に、幸せを求める本でもある。
「戦おう。人生そのものに。生き、苦しみ、楽しむんだ。生きていくことは美しく、素晴らしい。死と同じように、生きることも避けられないのだから」
僕たちが生きることを避けられないように、お金を稼ぎ、使うこともまた避けられない。
でも、あくまでお金は幸せになるための道具なのだ。