メガネくんのブログ

何となく日々思ったことを書いていくブログです。教育や本の感想なんかも書いてます。表紙の画像は大体ネタです。

何をやっても大抵人並み以上にできるという悩み

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高校からの友だちと飲んでいた時の話

 

悩み相談として聞いたのが、この話だ。

曰く、

仕事でも大抵のことは自分で調べて人並み以上にできる。

でも1つのことを突き詰めている訳ではないから、本物のプロフェッショナルには敵わないという負い目がある。

自分はゼネラリストタイプなので1つのことを突き詰めるのには向いていない。

何か自分の突き抜けだものが欲しいし、この先身につけたいが、今の仕事がそれにつながるのかはわからない。

一方で、職場などで目標とする先輩などがいない。最初は凄いと思っていても、気が付けば、その人の良いところも悪いところもわかってしまい、手放しで付いていくことができなくなる。それに時間が経てば、自分の方ができるようになってしまうことが多いから…

自分の目標というか進むべき道について考えてしまう。何でもそこそこできる現状のままでいいのだろうか不安になる。

というような話だった。

 

人によっては贅沢な悩みなのかもしれない。

 

人間は自分の経験した以外のことを、本当の意味で理解することはなかなかに難しい。

何もせずとも勉強ができてテストの点数も取れた人は、九九や分数でつまずく人の気持ちを想像することはできるだろうが、本当の意味で、できない人の気持ちを理解し、共感することは難しい。

 

また彼の話には、世の中で本当のプロと呼べる人は少ない。保険屋にしたって、住宅展示場にしたって、マニュアル通りの話や心理的テクニックは知っているのかもしれないけど、自分がいろいろ調べた中で疑問に思った保険の本質に関わること(例えば、国民の2人に1人は癌というがその根拠となるデータを教えてほしい、なぜ特約をつけないとカバーできない癌保険の治療項目がこんなにあるのかなど)を聞いても答えてくれないなどという内容もあった。

 

これは僕も感じたことがあるが、世の中に本当のプロや突き抜けた人は少なくて、職業や役職や肩書きと言った錯覚資産で世の中を渡っている人の方が多いのではないだろうか。

この錯覚資産についてはふろむださんの本が非常に参考になると思う。

僕の中で昨年のベストの本だ。

人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている

人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている

 

 

世の中になかなか本物の突き抜けた人がいない。だからそう見えるように皆が振る舞う。実態はそうなのかもしれない。

 

ただ彼の悩みは、ある程度何かをできるが故に、ある程度以上には至らない葛藤があるのだと思う。

昔見た絵を思い出す。

刑務所のような場所で、壁を覗き込むように見ている人がいる。壁にはペンキで青空が描かれている。その隣には本を高く積んで、塀の上から外の景色を見ている人がいる。塀の外(現実)には曇り空と退廃した街が描かれている。その隣にはさらに本を高く積んだ人がいる。その人の目の前には本物の青空が広がっているというような絵だ。

 

高く積まれた本はいろいろなことの比喩なのだろう。

本物の青空まで突き抜けるためにはどれほどの知識や学び、行動が必要になるのだろうか。

ぼんやりと思うのは、それはここまでと言った明確なハードルがあるのではなくて、ただ夢中で走っていて、気付いた時には周りの景色が変わっている、そんな感じなんじゃないだろうか。

問題はそこまで到達できるのかどうかということだ。

到達できずに中途半端に苦しむくらいなら、いっそ何も知らずに悩まずに考えずにペンキで描かれた青空を見て満足している方がいいという意見もあるのだろう。

 

それでも、僕は自分自身も自分の関わる子どもたちにも、苦しんででも悩んで考えながら生きていって欲しいと思う。

それが人間の尊厳に関わると思うからだ。